施策の背景

ビジネス会計人クラブ(以下、BAC)は、税理士や会計士を対象に専門的な研修を提供し、会計人コミュニティを運営する会社です。会員制の研修プログラムを通じて、最新の知識や実務スキルを提供し、専門家のスキルアップと業界全体の発展に貢献しています。

BACには会員の課題に対応するため、各種の専門家を紹介するマッチング事業があります。しかし、従来は担当者個人の経験や人脈に依存して運営されており、仕組み化が進んでいませんでした。その結果、案件の進捗や成約状況が可視化されず、組織としての改善が難しい状況にありました。また、マッチングの成約数や売上の管理が不十分であったため、事業としての成長の可能性が十分に活かされていませんでした。

さらに、コロナ禍の影響により、BAC全体の売上が低迷し、従来の会員ネットワークに依存したマッチング案件の獲得も伸び悩んでいました。 これまでの手法に頼るだけでは持続的な成長が難しい状況となり、より戦略的な事業運営が求められるようになりました。

こうした課題を解決し、マッチング事業を収益の柱の一つとして確立するため、NYCの支援のもとで業務プロセスの再構築に着手しました。

具体的な取り組み

まず、東京拠点では、従来担当者の頭の中にあったマッチング案件を可視化し、分野ごとの戦略を策定。さらに、四半期ごとの数値目標を設定・管理する仕組みを導入し、研修とも連動させる形で体系的に取り組む体制を整えました。

一方、大阪拠点では、これまでとは異なる強みを持つ人材を新たに採用し、元々外注していた事業自体を内製化。これにより、外部環境に依存せず、主体的にマッチング案件を創出できる体制を構築しました。

また、各拠点での進捗を可視化し、PDCAを回すことで、マッチングの成約率向上に向けた改善を継続的に行える仕組みを確立しました。

施策の成果

この取り組みにより、マッチング事業の売上が大幅に向上し、コロナ禍で低迷していた収益基盤を立て直すことに成功。事業の収益性を確保するとともに、利益体質の強化につながりました。

また、マッチング案件の進捗や成約率が可視化されたことで、組織全体での共有・分析が可能となり、属人的な業務から脱却した運営体制へと進化しました。
結果として、事業の成長をより長期的な視点で捉え、安定的に拡大できる基盤を整えることができました。